今回は、土壌酸度計の数値が動かないと悩んだ私の体験から、リトマス試験紙を使った正しいpHの測り方を紹介します。
棒を土にさすだけで簡単に測れると思っていた酸度計ですが、実際にはどこを測ってもpH7で、やっと使い方が間違っていることに気が付きました。
なぜうまく測れないのか、その理由と、鉢や花壇で実践できるリトマス試験紙による測定方法を詳しくまとめました。
■ 酸性を確認した話はこちら→ 枯れるのは水切れだけじゃない話
重要な先出し結論(忙しい人はここだけでも!)
-
棒式酸度計はそのまま土に差すだけではまず正しい値を出さないことが多い。
-
正確に使うには「土を水で十分潤し、泥団子状になるまで混ぜて20〜30分待つ」ことが必要だが、鉢や花壇でその手間をかけるのは現実的でない。
-
粒が粗い土壌(腐葉土多め・ピートモス・砂地など)は特に計測誤差が大きい。
-
家庭で実用的で正確に近い方法は、リトマス試験紙で「土の薄め液」を作って測ること。
目次
- 重要な先出し結論(忙しい人はここだけでも!)
- 目次
- 1|私が棒式酸度計を信用できなくなった経緯
- 2|棒式酸度計が当てにならない理由(3点)
- 3|家庭で実用的に正確に測る方法:リトマス試験紙で“薄め液”を作る手順
- 4|私の比較テスト(実際の結果)
- 5|結論と私の運用ルール
- ✔ まとめ
1|私が棒式酸度計を信用できなくなった経緯
私が持っている棒式酸度計を何か所かの土で試したところ、どこを測ってもずっと pH7 としか表示されませんでした。

電極部の接触不良かなと思い、サンドペーパーで電極(棒の先端)を軽くこすって磨いてみても、表示は変わりませんでした。

→電極部に酸化物がついていると測定できないため、計測部(先端から10cm程度)を目の細かいサンドペーパー(#400~1000)などで磨き、酸化物を取り除く必要があります。
この結果から「何か根本的に使い方や土の状態と相性が悪いのでは?」と思い、次の検証に移りました。
2|棒式酸度計が当てにならない理由(3点)
理由①:土の“密着”と水分状態で結果が左右される
棒式は電極と土の接触で電気的な導通を測ってpHを推定します。
そのため土が乾いている・粒が粗い・団粒が大きいと電極がしっかり密着せず、誤った中性寄りの値(pH7)を示すことが多いです。
先に書いたように、電極部に酸化物がついていても測定できません。
理由②:正確に測る手順を踏めていない。「泥団子が作れるくらい」の水とかき混ぜが必要
正確に測る手順を省くと棒式酸度計はまともに機能しません。
手順は次の通りです。
- 水をたっぷり加える

水をたっぷり加える - 泥団子が作れるくらいを目安に、土を混ぜる

土をしっかり混ぜる - 20〜30分置いて土に水を馴染ませてから酸度計を差し込む
※土が乾いてしまうと、正確に測定する事ができません - 酸度計は垂直に挿し込み、土壌をぎゅっと計測部に密着させる
※密着具合が弱いと正確な測定ができません。

土壌をぎゅっぎゅっと押して計測部に密着させる
私が試したところ、この手順を踏むと酸度計も初めて反応することがありました。逆に言えば、その手間を省くと棒式酸度計はまともに機能しないのです。


この方法は、花壇や鉢など植物が植えこんである場所では、なかなか現実的でないと思います。
理由③:土の粒状や有機物含有量で電極の反応が変わる
腐葉土多め、ピートモス、鹿沼土、赤玉土、砂地など粒が粗い土壌は計測部に密着しないため、測定できません。
ガーデニングの土は、市販の培養土含めこれらを混合して使用している人が多いと思うのですが、測定結果が保証できないのです。
3|家庭で実用的に正確に測る方法:リトマス試験紙で“薄め液”を作る手順
棒式の限界が分かったので、私はリトマス試験紙(pH試験紙)で「土の薄め液」を作って測定する方法に切り替えました。手順はシンプルで再現性が高かったです。
用意するもの
-
リトマス試験紙(pH試験紙)
-
透明なカップ(100〜200ml)
-
精製水または水道水(常温)
-
スプーン
-
土(採取サンプル)

用意した測定道具です。
手順
-
土を掘って採取(表土〜深さ3〜5cmの混合が望ましい)。

土を掘って採取 -
透明カップに土を大さじ2杯程度入れる。

透明カップに土を入れる -
同じ量(または土の2倍量)の水を入れてよくかき混ぜ、土が浮遊する濁水(薄め液)を作る。

水を入れて薄め液を作る(今回は3種類用意しました) -
30秒〜1分待って、リトマス試験紙を上澄みに浸す(沈殿物は使わない)。

リトマス試験紙を上澄みに浸す -
色見本と比較し、pHを判定する。

色見本と比較し、pH判定
(※リトマス紙は2種類使用しましたが、1色で読むタイプは微妙な変化が読み取りづらかったです)
この方法なら土の平均的なpHを安定して把握できます。棒式酸度計のように「どこを測ってもpH7」みたいな誤差は出にくいです。
4|私の比較テスト(実際の結果)
私は数か所を測りました。
-
棒式酸度計(泥団子状の手順なし):
各ポイントで全部pH7と表示→信用できない結果になりました。
各ポイントで全部pH7と表示(泥団子手順なし) -
泥団子状にして20分待った棒式測定:
場所によっては酸性を示しました。
Before:何もせずに測るとpH7.0だった鉢 手順を踏んで、pH7.0からpH6.5に変化した鉢です。
After:手順を踏むとpH6.5に変化。酸度計が初めて反応しました。
ただ、植物が植わっていると手順を踏むのがなかなか難しいです。 - リトマス試験紙(薄め液法):
きれいに結果が揃い、酸性であることも明確にわかりやすかったです。
今回試した3か所の測定結果は次のようになりました。
①ユーカリグニー株元:酸度計pH7.0→リトマス紙pH5.5 ②フェイジョア株元:酸度計pH7.0→リトマス紙pH7.0
ユーカリグニー株元の測定結果:酸度計pH7.0(左)→リトマス紙pH5.5(右)
③土だけになって放置していた鉢:酸度計pH7.0→リトマス紙pH6.0~6.5
フェイジョア株元の測定結果:酸度計pH7.0(左)→リトマス紙pH7.0(右) 棒式酸度計(泥団子状手順なし)はすべてpH7.0を示していましたが、リトマス試験紙で測った結果は、それぞれ納得の数値になりました。
鉢の測定結果:酸度計pH7.0(左)→リトマス紙pH6.0~6.5(右)
この記事で使っている道具はこちらです。
ふだんの土の変化を見るなら土壌酸度計、正確に知りたいときはリトマス試験紙。どちらも手軽で、園芸のモヤモヤがかなり減ります。
■ 土壌酸度計(ざっくりチェック用)
普段の水分量や、土の乾き・ざっくりpHを見るときの補助に。
■ リトマス試験紙(正確に測るならこちら)
数百円で買えて、色の変化が目で分かるので“判断の根拠”になります。
私は最初に1色タイプを使っていたのですが、微妙な変化が読み取りづらくて、あとから 2色の比較で判定できるタイプに買い替えました。
2色タイプのほうが迷いがなく、分かりやすいと思います。
5|結論と私の運用ルール
- 鉢や花壇で「泥団子状」をやるのは非現実的:鉢や花壇に植わっている植物に影響を出さず、泥団子状に混ぜる場所を確保するのは難しいです。
- だから現場ではリトマス法が最も実用的:少量の土で済み、短時間で判定できます。
- 棒式酸度計は「参考値」扱いにして、泥団子状手順を踏めない場所では絶対に鵜呑みにしないこと。
- 測定は季節や場所で変わるので、1回だけで判断せず定点観測を。春・秋の変化を記録すると有益です。
✔ まとめ
まとめると、「土壌酸度計の数字は“精密なpH値”ではない」という前提で使うと失敗しない という話でした。
土の状態や含水量でブレやすく、場所を変えても同じ数字が出やすいのは、土壌酸度計が壊れているわけではなかったのです。(最初壊れていると思ってしまいました。)
とはいえ、土の酸度ってそんなに難しいものでもなくて、「いま酸性寄りか、アルカリ寄りか」だけでも分かれば、植物選びや土づくりには助かります。
その点、リトマス試験紙は安い・簡単・正確の三点そろい踏みです。
土を水に溶かして色を見比べるだけで、土壌酸度計よりハッキリ傾向がつかめました。
100枚入りでも数百円なので、初めての人ほど一度試してみてほしいです。
土壌酸度計も、土の湿り具合や変化をざっくり見る使い方としては便利なので、「リトマス試験紙で正確に、酸度計で日常のざっくりチェック」という使い分けにするといいかもしれません。
土の酸度は一度はかればOKではなく、季節や肥料でも変わります。
なので、どうせ測るなら 簡単で確実な方法で 気楽で長く続けたいと思います。
リトマス紙、ちょっと科学の実験みたいで楽しいです。
どなたかの参考になれば幸いです。
■ 酸性を確認した話はこちら→ 枯れるのは水切れだけじゃない話